症例15:大人のすねの低温やけど
20代女性。11月3日に電気アンカで左の下腿を低温やけどされました。皮膚科に通われましたがまったく良くならず、皮膚移植が必要と言われたそうです。友人から湿潤治療が良いと聞き、検索して当院を受診されました。
低温やけどは深いところまでじっくりと熱が通るため、皮膚が深いところまで壊死します。壊死組織は異物が食い込んでいるのと同じですので、まずは壊死組織を取り除かないといつまでも治りません。
この方の場合は最初にかかった医師が1ヶ月間壊死組織をそのままにして表面的な処置をしていたため、異物である壊死組織に生体が反応して固くなってしま い、治るのに非常に時間がかかってしまいました。組織の再生を助けるはずのフィブラストスプレーという薬を壊死した組織にかけても生き返ることはありません。
時間はかかりましたが、痛い処置や皮膚移植せずに治癒できました。皮膚移植は必ず体の他の部分を傷つけることになりますので傷跡が2箇所になってしまいます。出来れば避けたいものです。
つかもと内科 院長
平成5年鹿児島大学卒業
総合内科専門医、腎臓専門医、透析専門医