症例5:糖尿病性皮膚潰瘍(かいよう)

糖尿病で腎臓が悪くなっている患者さんです。右足の親指に原因のはっきりしない水疱ができ、その後大きなかさぶたが覆った状態です。定期受診の際に足の診察をして気が付きました。

足の親指の先端を分厚いかさぶたが覆っています。かさぶたの縁から膿が少量でていました。
「かさぶたができれば治ってくる」という誤解が多いですが、かさぶたの下には菌が入り込んでいて、簡単に化膿します。
かさぶたが出来ないようにするのが良い治療です。
かさぶたは下に膿があり浮いていましたので簡単に除去できました。
かさぶたの下には皮膚潰瘍がありました。中心はやや深い印象です。
デュオアクティブETを貼り、家で毎日洗って貼り替えてもらいました。
赤くなったり痛みが出たりしたらすぐ受診してもらいます。
7日後。
きれいに治っていました。
予想より早く治りホッとしました。
今後も毎日足の状態を確認するようにしてもらいます。

合併症のある糖尿病患者さんの足に傷ができると壊疽(えそ)となり切断に至る場合があり最大限の注意が必要です。今回もかなり心配しましたが、スムーズに治り安心しました。
かさぶたは浸出液や壊死した組織などが乾燥して固まったもので、ばい菌のすみかになります。傷ができたら乾燥させないプラスモイストなどで覆って、浸出液や壊死組織があれば洗い流すようにするのが感染させず早く治すコツです。