2017年8月発行ニュースレター第14号「頭痛の疑問にお答えします」

頭痛はつらい症状です。それにもかかわらず、正しい治療を受けられていない方が多いです。
場合によってはかえって病気の状態が複雑になって治りにくくなることもあります。
また、片頭痛という言葉が独り歩きしている感があります。
代表的な頭痛の種類や、効果的な治療法について解説します。

危険な頭痛:突然始まった頭痛には要注意

最も命にかかわる頭痛はクモ膜下出血による頭痛です。特長は強い頭痛が「いきなり始まって持続する」ことです。「何時何分にガーンと来た」などと発症をはっきり覚えている頭痛は非常に危険で、すぐ病院へ。
その他に、手足や顔の麻痺を伴う場合も危険な頭痛ですのですぐに病院へ。

筋緊張性頭痛:締め付けられるような頭痛です

左右差がなく、両方のこめかみや後頭部あたりが締め付けられるような痛みです。頭の皮膚の下には薄い筋肉の膜があり、首や肩につながっています。そのため肩や首のコリが頭に伝わって痛みが起こります。目の疲れでも起こり、40歳代で自覚しないうちに老眼が始まった場合によく起こります。
鎮痛薬はごまかすだけで根本治療になりません。首や肩の体操などでコリをほぐす必要があります。
雨の日にひどくなるタイプの方は、五苓散という漢方薬が有効なことがあります。

片頭痛(へんずつう):左右どちらかの拍動性(脈拍に合わせてズキンズキンする)の痛みです

頭の中の血管が、一旦ギューッと収縮した後に反動で過剰に拡張して起きる頭痛で、吐き気を伴ったりします。目がチカチカしたりする「前兆」がある場合とない場合があります。痛くなり始めたときに片頭痛専用の薬を飲めば発作が治まります。おさまらない場合は通常の鎮痛薬で抑えるしかありませんが、漢方薬も有効です。しばしば発作が起きる場合は予防薬を毎日飲めば回数をかなり減らせる事があります。
似たような症状で頭痛が一定期間に集中して起こる群発頭痛という病気もあります。

鎮痛薬依存頭痛:痛み止めの使い過ぎでおきます

頭痛の治療を鎮痛薬のみで行おうとすると次第に飲む回数が増えてしまう場合があります。やがて薬を飲まないと頭痛がするようになってしまいます。薬の変更や根本治療を行う必要があります。

 

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