症例23:小児の太もものやけど

4歳女児。8月28日にラーメンをこぼして左太ももをやけど。すぐに皮膚科受診した所、「何もしない方が良い」と言われステロイド軟膏を処方されたそうです。その後別の病院を受診した所水ぶくれを取る処置を受け、御家族のすすめで当院を受診されました。

8月30日初診時。

水疱膜(水ぶくれの皮)はある程度取ってありました。取った後ご家族がラップをあてていました。ガーゼでなくラップで良かったです。

ラップを取って軽くぬるま湯で流した所。

白っぽいところがなく、全体的に浅い2度熱傷と思われます。

プラスモイストをあて、毎日シャワーで流して付け替えしてもらいます。

9月2日。

痛みやかゆみはなかったそうです。残っていた水疱膜もシャワーのときなどに自然に取れています。

プラスモイストを継続します。乾燥傾向になったらプラスモイストにワセリンを塗ってもらいます。

9月6日。

治癒していました。まだ汗腺の働きが戻っておらず乾燥しやすいので1週間ほどワセリンを塗ってもらいます。

 

やけどの水ぶくれを破るかどうかは判断が難しい時がありますが、破ってやけどの面を観察しないと正確な深さはわかりません。
パンパンになっていたりして自然に破れそうなら破って除去したほうが良いですが、その後にガーゼは厳禁です。この患者さんはラップをあててくださっていたのでその後もスムースに治りました。応急処置で傷ややけどにラップを当てるときは、ラップの方にワセリンを塗ってから当てるとさらに痛みが軽くなります。浸出液を吸ってくれませんので周囲の皮膚がかぶれやすく、こまめに洗って取り換えが必要です。