2017年12月発行ニュースレター第16号「保湿の真実」

乾燥する冬になると肌の乾燥の相談が増えます。乾燥はかゆみの原因にもなります。
乾燥肌というと「保湿剤」となりますが、実は世の中に出回っている保湿剤のほとんどは「乾燥剤」なのです。
そもそもしっとりとした肌とはどういう状態なのか、どうすればよいのかをまとめました。


しっとりとしたお肌とは?

赤ちゃんのしっとりもちもちした肌は魅力的です。肌の水分が多いからです。肌の水分は外から補えるものではありません。お風呂に長く使ってもふやけるだけですね。健康な皮膚は内側からの水分で潤うものなのです。

汗腺から皮脂が分泌され、それが角質の上(皮膚の表面)に薄いベールを作って水分の蒸発を防いでくれることで皮膚の水分は保たれます。重要なのは「皮脂のベール」です。さらに、 「皮脂のベール」がなくなると角質が荒れてしまい、もっと水分が蒸発しやすくなります。

「保湿剤」の矛盾

外からの水分は意味がなく、皮脂のベールを守るのが大切ですが、いわゆる保湿剤はこの点で失格です。白いローションやクリームは水と油を混ぜて作ってありますが、混ぜるために界面活性剤(洗剤と同じ)を使ってあります。これでは皮脂まで強力に溶かしてしまいます。塗った直後はローションの油分が肌にくっついてしっとりしたように見えますが、皮脂がなくなってしまいどんどん乾燥が進んでしまいます。ヒルドイドもウレパールも、外から肌への水分補給は出来ませんので肌の表面に貼り付いてその時だけつやつや(実際はカパカパ)しているようにみえるだけです。乾燥する→ローションを塗ってごまかされる→乾燥するの繰り返しになります。

本当に保湿するには

皮脂のベールを壊さないのが第一です。石鹸やシャンプーの使用を最低限にしましょう。ゴシゴシ擦るのはもってのほか。風呂上がりは皮脂のベールと協力して肌の水分を逃がさないようなものを塗りましょう。油性のものがよく、ワセリンが一番おすすめです。手のひらでよく温めて柔らかくしてから薄く塗りましょう。冬の手荒れにもワセリンがおすすめです。べたつくようなら拭き取っても効果は残ります。

PDF版はこちら:第16号201712