2018年6月発行ニュースレター第19号「肺炎球菌ワクチンってどうなの?」

6月になって、福岡市から肺炎球菌ワクチンのお知らせが届いた方がいらっしゃると思います。

「打ったほうがいいの?」とよく質問を受けますが、お返事は「ぜひ打ちましょう!」です。

今回は肺炎についてとその予防法、肺炎球菌ワクチンについて解説します。


肺炎とは

肺炎は病原体(細菌やウイルス)が肺に感染して起こる病気で、症状は咳・たん・呼吸困難・発熱・倦怠感です。癌などに隠れて目立ちませんが、日本人の死亡原因の第3位で9.5%を占めています。肺炎でなくなった方の95%が65歳以上の高齢者です。

肺炎の原因になる病原体の28%を占め、最も多いのが肺炎球菌という細菌です。以下インフルエンザ菌(インフルエンザとは無関係です)、マイコプラズマ、クラミジアと続きます。

肺炎の予防法

肺炎は体が弱っているときに起こりやすいです。特に風邪やインフルエンザで体力が落ちて気管の働きが悪くなると肺炎の原因菌を排出できなくなり肺炎になりやすくなります。普段からしっかり食事や睡眠を取り体調を整えるのが第一です。風邪予防は手洗いが第一で、インフルエンザはワクチンを受けたほうが軽くてすみます。

最も多い肺炎球菌による肺炎はワクチンで予防できます。3割位予防でき、なっても軽症ですみます。

肺炎球菌ワクチン

現在2種類のワクチンがあります。どちらのワクチンも1回接種すると5年以上効果が持続します。65歳以上で5の倍数の歳になる方は福岡市から通知が来て公的な補助が受けられます。ニューモバックスNPというワクチンで、福岡市は自己負担4200円です。一生に1回、その年度だけ補助が受けられますので忘れないように通知が来たら早めに受けましょう。体力の落ちる夏の肺炎も多いです。

念を入れて予防したい方はもう一方のワクチン、プレベナー13も接種したほうが予防効果が高いとされています。詳しくはご相談ください。

PDF版はこちら→第19号201806