2018年12月発行ニュースレター第22号「インフルエンザの予防と治療」

寒さが本格的になりインフルエンザの患者さんが増える時期です。特に年末年始で人が大移動する際に新幹線などで感染が起こり、年明けは患者さんが一気に増えます。

インフルエンザの予防と治療についてまとめました。

インフルエンザは風邪とは違う病気です

インフルエンザと風邪は似ていますが、発熱や倦怠感や関節痛が普通の風邪よりひどいのが特徴です。逆に鼻水などはあまり出ません。ワクチンを打っていると高熱は出ない場合がありますが、妙に体がだるい場合はインフルエンザの疑いが高まります。インフルエンザ肺炎やインフルエンザ脳症という重症な病気を引き起こすこともあります。A型は高熱が出て、B型は吐き気などの胃腸症状があるという特徴があります。

予防法

ワクチンは感染を完全には防げませんが、症状を軽くして肺炎などを防いでくれます。
流行時期はできるだけ人混みを避け、こまめに手洗をするのが効果的です。マスクもしないよりはしたほうが良いです。うがいは効果はありません。特にイソジンうがいは粘膜をいためるのでむしろ有害です。

かかってしまったら

水分補給をしながら安静に休むのが一番です。人にうつさないように外出は控え、家庭でも別室にいましょう。咳をするときはティッシュなどを口に当ててウイルスを撒き散らさないようにしてください。
10代までの子供さんでは高熱が出た際に窓から飛び降りるなどの異常行動の可能性がありますので、事故が起きないように一人にしない、窓には鍵をかけるなど注意をしてください。
熱が高い場合はおでこではなく、首や脇の下や足の付根を冷やすと効果的です。特に脳を冷やすため首周りを冷やすようにしてください。
インフルエンザウイルスに直接効くお薬は内服、吸入、点滴など種類が増えていますので、患者さんに合わせて選びます。漢方薬も有効です。風邪に使われるPL顆粒やロキソニンはインフルエンザには禁忌になっていますのでご注意ください。

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