症例45:幼児の胸のやけど

2歳男児。8月13日に花火の燃えカスが当たり胸をやけどしたそうです。ご身内に看護師さんがおられ、処置をしていただけたそうです。8月16日に当院を受診されました。

8月16日。

左胸の上の方は深い2度~3度の火傷と思われました。毛根は残存していそうなので深い2度で2週間程度で治る見込みと説明しました。

プラスモイストを当てて、自宅でも毎日交換するようにお願いしました。

同じく8月16日。

左胸の下の方は浅い2度のようでした。プラスモイストで処置。

8月18日。左胸の上の方。大きな変化はありません。

プラスモイストが剥がれやすいのでデュオアクティブを貼ってこられました。デュオアクティブなどハイドロコロイドは剥がす時にかなり痛がって泣いてしまうのと、小さなお子さんではとびひを起こす危険があるのでプラスモイストを継続するようお願いしました。

8月18日の左胸下の方。こちらは上皮化してきています。
ネット包帯でプラスモイストがずれないように工夫しました。
8月25日の左胸上の方。

やけどの面が小さくなり、治ってきています。そろそろ乾燥しやすくなるのでプラスモイストにワセリンを塗って当ててもらいます。

8月25日の左胸下の方。

こちらは浅かったので治っています。

9月8日の左胸上の方。

上皮化しています。まだ赤みがあり、1週間ほど保護のためワセリン付きプラスモイストを継続してもらいます。

9月8日の左胸下の方。

あとも目立たなくなっていました。

花火などのやけどは温度が高いので深い火傷になりやすいです。幸い3度までは至っていなかったので3週間ほどで治りました。

小さなお子さん(未就学児)はとびひを起こしやすいのでキズパワーパッドなどのハイドロコロイドはおすすめしていません。剥がすときも粘着力が強すぎて痛がらせてしまうことが多いです。顔の火傷などは固定の問題でハイドロコロイドも使います。