症例46:小児の太もものやけど

11歳男児。9月5日深夜にカップラーメンをこぼして左の太ももにやけどをしました。以前にも当院で湿潤治療を受けられたことがあり、深夜だったので大学病院で処置を受けたあと、翌朝当院を受診されました。

左の太ももの前面から内側にかけて15cm×20cmくらいの大きなやけどでしたが、幸い浅い2度でした。

9月6日の左太もも前面。

水疱膜はほとんど除去してありました。

9月6日の太もも内側。

同じく、水疱膜はほとんど除去してありました。

範囲が広く、ズイコウパッドにワセリンを塗ったものを当てました。家でもぬるま湯で流して同じ処置をしてもらいます。

9月8日の太もも前面。

赤くなっているように見えますが、痛みや周辺の正常な皮膚の発赤がありませんので感染ではなく血流が良い証拠です。

9月8日の太もも内側。

薄い黄色い膜は浸出液の蛋白が固まったフィブリン膜というもので、無理に取ると痛いのでそのままにしました。時期が来たら自然に取れます。

周辺の初診時ははっきりしなかった水疱膜を除去しました。

処置は同じものを継続です。

9月13日の太もも前面。

全体の2/3は上皮化していました。

9月13日の太もも内側。

経過良好です。

9月20日の太もも前面。

すっかり治っています。

9月20日の太もも内側。

すっかり治っています。

まだ薄くて弱い皮膚ですのであと数日ズイコウパッドで保護、その後1~2週間は乾燥しやすいのでワセリンを塗ってもらいます。

面積の広いやけどで、9月6日夜には39度の熱が出ました。やけどが赤くなったり痛くなったりはなく、反応性の熱と思われ一晩で自然に良くなりました。