症例61:幼児の太もものやけど

3歳男児。12月10日にスープをこぼして左太ももをやけど。救急病院受診して白いクリームを処方されましたが当院のホームページをご覧になり、つけずにキズパワーパッドを貼って11日に当院を受診されました。

12月11日初診時。

殆どが浅い2度のやけどと思われました。水疱膜が残っていましたが無理に取らず、ワセリンつきプラスモイストを当てました。毎日ぬるま湯で流して付け替えてもらいます。

12月13日。

やけどが赤くなっていますが周りの皮膚は正常で、血流が良い証拠です。残っていた水疱膜を除去し、同じ処置を継続してもらいます。

12月16日。

痒がるようになったとのこと。大部分が上皮化しており、もう一息です。

入浴されていないとのことで、かゆみの一因と思われました。痛くなければ入浴してもらったほうが治りは良いです。

12月20日。

完全に上皮化、治癒していました。まだ薄い皮膚ですのでもう1週間位プラスモイストやワセリンで保護してもらい処置終了です。

白いクリームのたぐいはすべて界面活性剤で水と油を混ぜたもので、やけどや傷に塗るとどんどん悪化します。いまだにやけどにゲーベンなどのクリームを出す病院が圧倒的に多いのは残念なことです。親御さんがネットで調べてすぐにやめられたのが幸いでした。