症例63:不適切な治療で悪化した足のやけど

49歳男性。12月7日に熱湯で右足をやけどされました。近くの皮膚科に通院されましたが、痛くて眠れないとのことで12月29日に当院を受診されました。

12月20日初診時。

エキザルベやプロスタンディン軟膏が塗られており、水疱膜がそのままになってやけどに直接クリームがついてないところは治癒しており、クリームがあたっていた足の外側の方や指が二次性に悪化していました。

足背。

外側(写真では下の方)は深い皮膚潰瘍になっています。他の部分も乾燥がひどいです。

足の指。

やけどが乾燥してしまい、一部深めの潰瘍になっています。

すべてワセリンつきプラスモイストで処置しました。

12月26日。

痛みはかなり軽くなりシャワーを浴びられるようになったそうです。

足背は治ったところはきれいになり、皮膚潰瘍の部分も肉芽に覆われています。
足の指も湿潤した状態になり、肉芽で覆われています。
1月7日。

足背は深いところが残っていますが、そこも小さくなっています。

足の指ももう一息です。
1月14日。

足背はすっかり治っていました。

まだ少しヒリヒリするとのことで、1~2週間ワセリンを塗って保護してもらいます。

足の指も治っていました。

本来2週間程度で治るはずのやけどが、不適切な治療で痛みが強いばかりで治らなかった症例です。

エキザルベやプロスタンディン軟膏は傷を治すどころか障害してどんどん悪化させます。水疱膜が残っていて直接クリームが当たらなかった部分が先に治っているのが証拠です。