2021年4月発行ニュースレター第36号「コロナワクチンのおはなし」

高齢の方からコロナワクチン接種が始まります。自治体によりどこで接種するか異なり、福岡市はかかりつけのクリニックと集団接種会場(マリンメッセなど)が中心となり、重篤なアレルギーの既往がある方などは対応可能な病院で接種となる予定です。コロナワクチンにはいろいろな噂が飛び交っており不安に感じている方も多いようですが、すでに世界では6億回を超える接種が行われており、重大な問題は発生しておりません。。4月初めの段階での正しい情報をお伝えします。


効果はどの程度?

ファイザー・モデルナどちらのワクチンも1回目接種2週間後で80%、2回目接種2週間後で90%以上の感染予防効果があることがわかっています。アストラゼネカのワクチンは76%の発症予防効果とされています。重症化予防はいずれのワクチンも90%以上の効果があります。ワクチン接種が進んでいるイスラエルでは感染者・重症者が減っています。ファイザーのワクチンの効果は半年以上続くようですが、それ以降は先行している他国の状況を見ていく必要があります。増加している変異株に対しては、ファイザーとモデルナのワクチンは有効ですが、アストラゼネカのワクチンは特定の変異株には効果が弱いようです。

副作用は?

最も重篤な副作用はアナフィラキシー(急速に全身に生じるアレルギー反応)ですが、その頻度は100万人接種して2.8~5.0人と多くはありません。インフルエンザワクチンでも100万人に1.2人にアナフィラキシーが起きます。接種後15分以内に発症が71%、30分以内が86%で、接種後は少なくとも15分は医療施設内で経過を見る必要があります。アレルギーの危険の高い方は30分の経過観察が必要です。

アナフィラキシー以外の副作用は注射部位の痛み、発熱、倦怠感などインフルエンザワクチンでもしばしば経験するものになりますが、2回目のほうが症状が出やすく、若い人ほど症状が強く出るようです。

根も葉もない噂

ウイルスの遺伝子が体の細胞に組み込まれる、不妊になる、マイクロチップが入っている、などなどの噂がネットを中心に飛び交っていますが、いずれもどうやればそんな事が可能なのか、ぜひ理屈を聞いてみたいものです。

院長からもう一言

コロナワクチンは強制ではありません。接種するもしないもそれぞれの考えで良いと思っています。しかし、正しい情報なしには正しい判断はできませんので、不確かな情報に惑わされず、しっかりした情報をもとに接種するか熟考してください。

自分は受ける予定です。

PDF版はこちら→第36号202104