症例88「お茶とスープによる腕のやけど」

成人女性。6月15日に熱いお茶とスープで左前腕をやけどされました。皮膚科でエキザルベとガーゼで治療を受けたところ痛みが強く、6月17日当院を受診されました。

6月17日。

前腕の内側は赤くなっているだけで水ぶくれにはなっておらず、1度~ごく浅い2度です。

白いのはエキザルベです。べったりくっついていてぬるま湯ではなかなか取れません。

同じく6月17日。

前腕の中央部は水ぶくれができれおり、水ぶくれの皮をできる限り除去しました。

ワセリンを塗ったプラスモイストで被覆し、自宅で処置してもらいました。

6月21日。

痛みは軽くなったとのことでした。やけどの面の中央部がやや白っぽく、この部分はやや深い可能性があります。

6月29日。

幸い中央部も薄いながら皮膚が張っていて治癒していました。まだ薄い皮膚なのでもう2~3日プラスモイストで保護してもらいました。

やけどと見ると何も考えずにエキザルベを出す医師が多すぎます。今回は水疱膜がまだ破れていなかったので幸い障害を起こしませんでした。自分が使っている薬がどういう作用機序で効くのか考える習慣があれば製薬会社や古い教科書の言うことを鵜呑みにして惰性で薬を出すことはなくなると思うのですが、残念きわまります。