2026年8月発行ニュースレター第68号「蚊にまつわるエトセトラ」

夏になると現れるやっかい者といえば「蚊」です。近年の温暖化の影響で気温が高くなりすぎてかえって蚊に刺される機会が減ったように思いますが、これから少し涼しくなると活動が活発になると予想されます。今回は蚊にまつわるよもやま話をご紹介します。


蚊に刺されやすい人の特徴

蚊は温度や二酸化炭素・匂いに惹かれてよってきます。体温が高く、汗をかく人ほど刺されやすいということになります。具体的に言うと、子ども、妊婦、飲酒後や運動後の人が当てはまります。臭いに関しては皮膚常在菌が皮脂を分解してできる乳酸などのカルボン酸が蚊を引き寄せます。男子高校生が蚊に刺されやすい妹のために行った研究によると、足の裏の皮膚常在菌の数と種類が多い人が刺されやすく、足の裏をアルコール除菌するとさされにくくなるそうです。また、黒や紺などの暗い色の服のほうが蚊が寄ってきやすいそうです。

なぜかゆくなる?

蚊は刺したときに最初に唾液を皮膚に注入してきます。この唾液には血を固まりにくくする成分が含まれており血を吸いやすくしています。繰り返し刺されているうちに唾液の成分に対してアレルギー反応が出るようになり腫れて痒くなるようになります。

痒くなり方には刺されてすぐ痒くなる即時型と翌日以降に腫れて痒くなる遅延型があり、即時型は1~2時間で治まりますが遅延型は1~2週続くことがあります。赤ちゃんはアレルギー感作が成立していないので刺されても反応がありません。繰り返し刺されるとまず遅延型が起きるようになり、ついで即時型+遅延型を起こすようになります。年齢が高くなると即時型だけになり、高齢者ではほとんど痒くならなくなります。即時型は冷やすと症状が和らぎます。遅延型はステロイドの外用薬が効果があります。

蚊が媒介する感染症

最も人を殺している生物第1位は蚊で、年間70~100万人が蚊が媒介する感染症で亡くなっています。幸い日本では蚊が媒介する感染症は日本脳炎だけで、ワクチンで予防できます。しかし、デング熱が国内で一時的に発生したのは記憶に新しく、今後も温暖化と交通の発達によりデング熱以外にマラリアやジカウイルス感染症など輸入感染症が国内に定着する可能性があります。

院長からもう一言

蚊に刺されそうなところに行くときは明るい色の服を着て虫除けスプレーを使いましょう。肌が露出しているところにくまなくスプレーし、顔などは手に噴霧したものを塗ります。汗をかいたらこまめに拭きスプレーを追加しましょう。

虫除けスプレーには種類があり、乳幼児には使用制限があるものもありますのでよく説明を読んで使ってください。

日焼け止めと併用する場合は先に日焼け止めを塗ってその上から虫除けスプレーを使います。