2026年2月発行ニュースレター第65号「脈の乱れを感じたら」

「今、一瞬脈が飛んだ気がする」「急に動悸がする」……。心臓のリズムが乱れる「不整脈」は、実は誰にでも起こりうるものです。その多くは心配のないものですが、中には「命に関わる不整脈」も隠れています。不整脈のタイプや脈の確認の仕方を覚えておきましょう。不整脈を確認できたらすぐ病院受診し心電図をとるのが診断に大変重要です。


脈の確認と正常範囲

脈を確認するときは下の図のように手首の親指側の骨のすぐ内側を指3本で触れます。普段からどこをさわればいいか確認しておきましょう。脈拍の正常範囲は個人差がありますが毎分60~80回で、50回未満だと徐脈、100回以上が続くと頻脈と判断します。乱れなく規則正しいのが正常ですが、若い人ほど呼吸により脈拍数が変動します。

危険な不整脈

失神・気分不良のある場合:脈拍が極端に下がったり上がったりすると血圧が低下し気分が悪くなり、ひどくなると失神します。失神発作で最初に調べるべきは不整脈の有無なのです。急な失神は交通事故や突然死の原因となりうるため検査と治療を必ずしないといけません。気分不良や冷や汗も危険な兆候です。

脈の乱れが激しい:脈に規則性が全く無く、強弱も変化する場合は心房細動という不整脈の可能性が高いです。心臓の中に血栓ができて、その血栓が脳に飛ぶと重篤な脳梗塞を起こしますので必ず治療が必要です。

危険度の低い不整脈

期外収縮:規則正しい脈が時々一拍だけ乱れる場合です。気持ち悪いですが害があることは少ないです。頻発して気持ちが悪い場合は薬で症状改善できます。

上室性頻拍:脈が急に120くらいに上がって下がらない状態です。血圧が下がらず気分不良もなければ安静にしていれば30分~数時間で治まります。薬で止めることもできますが、冷たい水を飲んだり冷たい水で顔を洗ったりすると治まることがあります。

不整脈は出現しているときに心電図を取らないと確定診断は困難です。受診時に異常がない場合は循環器専門病院だと24時間~14日間連続で心電図を記録する機械をつけて検査します。

院長からもうひとこと

不整脈は放置したほうがいいものから必ず治療しないといけないものまで様々です。

昔は薬で止めるしかなく、かえって薬の害が出ることもありましたが、現在ではカテーテルアブレーションと言って心臓の中の不整脈の発生源をカテーテルで潰してしまう方法が広く行われています。心房細動に対して最も行われていますがその他の不整脈にも効果があります。

小渕首相も長島茂雄さんも心房細動から脳梗塞を起こしました。今だったらカテーテル治療で脳梗塞を起こさずに済んだかもしれません。

PDF版はこちら→第65号202602不整脈