2024年2月発行ニュースレター第53号「カフェインに気をつけよう」
カフェインはコーヒーに含まれるおなじみの物質ですが、実はいろんなものにも含まれています。カフェインは目覚ましや気分転換になりますが、病院の処方薬になっているくらい作用の強い物質ですので摂りすぎると眠れなくなるなどの害があります。何にどれくらい含まれているか、どれくらいなら摂っても良いか知り、上手に利用しないといけません。
カフェインの作用
覚醒作用:眠気をもたらすアデノシンの作用を阻害して覚醒させます。興奮作用もあり注意力が高まります。
気管支拡張作用:気管支を拡張させる作用があり気管支喘息の症状が和らぎます。
利尿作用:腎血流を増やして尿の量を増やします。
カフェインの副作用
不眠・神経過敏:摂り過ぎにより不眠やイライラ・不安をもたらします。
動悸・不整脈:脈拍数が上がり、動悸や不整脈を誘発する可能性があります。
頻尿:尿量を増やすだけでなく、直接膀胱を刺激して頻尿になります。
頭痛:カフェインの効果が切れてくるときに頭痛が起きることがあります。
過剰摂取によりけいれん、意識障害、不整脈・心不全を来たし、死亡例もあります。
カフェインの上手な摂り方
カフェインの適正な摂取量は成人で1日に200~400mg以内とされています。コーヒー240mLに100mg、緑茶・紅茶・烏龍茶240mLに40mg、コーラ500mLに50mg、エナジードリンク250mLに80mg、チョコレート1枚に10mgのカフェインが含まれます。カフェインの摂り過ぎになっていないか注意しましょう。
カフェインの半減期は3~7時間です。カフェインを代謝する酵素の活性には個人差があり、代謝が早い人と遅い人が半々となっています。早い人で5~6時間、遅い人なら10時間くらいカフェインの作用が続くと考えられます。カフェインを摂るのは代謝が早い人で夕方まで、代謝が遅い人は昼までにしたほうが不眠などを起こしにくくなります。
院長からもう一言
不眠のある方にお話を聞くとコーヒーや緑茶をたくさん飲んでいて、昼までにしてもらうだけで不眠が解消することもよくあります。また、カフェインが入っている飲み物は利尿作用があるので脱水予防に適しません。水や麦茶を飲みましょう。
エナジードリンクは若い方に人気ですが、1本あたり25gの糖と80mgのカフェインが含まれており糖とカフェインの相互作用で脳に酩酊に近い状態を起こしているもので健康上は良くありません。テレビのCMに騙されないようにすべきです。海外では過剰摂取での死亡例もあります。
PDF版はこちら→第53号202402カフェイン
つかもと内科 院長
平成5年鹿児島大学卒業
総合内科専門医、腎臓専門医、透析専門医