2016年8月発行ニュースレター第8号「やけどをしてしまったら」

やけどは夏と冬に多くなります。夏は花火やバーベキュー、日光で熱くなった金具などでのやけどが多く、冬は湯たんぽや暖房器具による低温やけどが多くなります。
やけどやケガの治療は昔と大きく変わっています。消毒して軟膏やガーゼを当てる治療は「痛くて処置が大変で治りが悪い前世紀の遺物」です。
最新の「痛くなく、簡単に、早く、きれいに治る」治療をご紹介します。



最初にすること:水で冷やしましょう

水道の水を流しながら1~2分冷やしましょう。それ以上冷やしても意味はありません。
氷など冷たすぎるもので長く冷やすと感覚が麻痺して痛みが軽くなったように感じますが、冷やしすぎてかえって低温による障害を起こしてしまいがちです。

赤くなってひりひりするとき

水ぶくれが出来ず、皮膚が赤くなってヒリヒリするだけの場合は1度熱傷と言って一番軽いやけどです。
やけどの部位が空気に触れているとヒリヒリしますが、何かで覆うと軽くなります。一般的な絆創膏は空気を通すので、キズパワーパッドなどのぴったり貼り付 いて水も空気も通さないものを貼るのがおすすめです。とりあえずワセリンを塗ったラップなどを当てても痛みは和らぎます。

水ぶくれが出来たとき

水ぶくれができたら2度熱傷以上のやけどになります。お湯より温度の高い油や火によるやけどは深くなりやすいです。やけどが小さく水ぶくれが破れなければ そのまま治るまで保護する方法もありますが、ほとんどの場合治りきる前に破れてしまいます。そうなると水ぶくれの皮の部分を取り除き、やけどの面を覆って あげる必要があります。処置が必要ですので受診してください。すぐに受診できない時はガーゼではなくラップを当てて、液が出てきたらやけどの周りを濡れ ティッシュなどで拭いてラップを当てなおしてください。消毒は有害無益です。
ワセリン以外の軟膏・薬やガーゼを当てると痛みを起こし傷を深くするだけで、使用すべきではありません。最新の創傷被覆材を当てれば張り付かず処置も簡単で痛くありません。ぜひご相談ください。

PDF版はこちら:vol8_201608