2018年8月発行ニュースレター第20号「不眠症の意外な話」
暑くて寝苦しい日が続いています。「眠れない」とのご相談をよくお受けします。一口に「眠れない」という訴えにも、実は色々なパターンが有ります。「寝付けない」「途中で何度も目が覚める」「早く目がさめてしまう」「ぐっすり眠った感じがない」などです。
眠れない事自体がストレスになりますし、日中の不調の原因になるようだとさらに問題です。
今回は不眠の原因や対処法についてまとめました。
不眠が特定できる原因とその対処法
心配事で眠れないことは誰にでもあります。これは問題が解決すれば速やかに改善します。
うつ病などの心の病気には不眠がよく合併します。この場合は精神科や心療内科の主治医に相談しましょう。
寝ている時に足がムズムズ気持ち悪くなる「むずむず脚症候群」は薬で改善しますのでご相談ください。
原因がはっきりしない不眠への対処法
特に原因が思い当たらない不眠の意外な原因がカフェインです。コーヒだけではなく、緑茶、烏龍茶、紅茶にもカフェインが入っています。夕食後に緑茶を飲んだり、健康に良さそうと烏龍茶を主な飲み物にしたりすると眠れなくなります。お茶などは昼食後までにしたほうが良いです。普段はノンカフェインの飲み物を飲むようにしましょう。 お酒の力で眠る人もいますが、アルコールは眠りを浅くしますので睡眠の質が悪くなります。ニコチンも睡眠の妨げになりますので睡眠前にはタバコは吸わないほうが良いです。 「寝なくてはいけない」という焦りが不眠を悪化させますので、眠くならなければ読書をするなどしてリラックスしましょう。入浴後、体のほてりが冷める時に眠気がきやすいのでそのタイミングで床に入るのも有効です。 強い光は目を覚まさせるので、朝起きたら陽の光を浴び、寝る前はテレビやスマートフォンの光をあまり見続けないようにして体内時計を整えることも必要です。
薬物療法について
疲れによる不眠など軽めのものには漢方薬も効果があります。現在睡眠導入剤を服用中の方は急にやめると反動で眠れなくなります。やめたい時は1/4ずつ慎重に減薬する必要があります。
院長からもう一言
カフェインによる不眠はかなり多いです。飲み物をかえてもらっただけで治ってしまう場合が多々あります。
コーヒーやお茶は楽しみで飲むぶんには良いですが、水分補給としては水や麦茶などが望ましいです。カフェインには利尿効果がありますので脱水の予防には適しませんし、夜間のトイレの原因にもなります。お酒も夜中にトイレに行きたくなります。
PDF版はこちら→第20号2018年08月
つかもと内科 院長
平成5年鹿児島大学卒業
総合内科専門医、腎臓専門医、透析専門医