2020年2月発行ニュースレター第29号「新型肺炎とインフルエンザの予防」
新型肺炎は心配ですが、アメリカではB型インフルエンザでたくさんの方が亡くなっています。過剰に恐れる必要はありませんが、正しい予防法を行うことは必要です。今回は新型肺炎やインフルエンザの感染経路と、その予防法を解説します。
インフルエンザはワクチン接種も重要ですが、新型肺炎にはワクチンはまだありません。
どのようにして感染するのか
新型肺炎もインフルエンザも、飛沫感染か接触感染です。飛沫感染とは患者さんの咳やくしゃみで唾液とともにウイルスが飛び散り、それが目、鼻、口から体に入って感染することです。接触感染とは患者さんに直接触れる、または机や手すりやドアノブに付着したウイルスに触れた上で、その手で目や鼻や口を触ることで感染することです。インフルエンザや新型肺炎のウイルスは手すりなどに付着してから5日前後生き残るそうで、飛沫感染より接触感染予防のほうが重要といえます。
飛沫感染の予防:咳をしている人が近くにいる場合に注意を
患者さんは咳のときにウイルスを撒き散らさないようにマスクをするべきです。マスクがないときは袖口などを口に当てて咳をしてください。予防のためにもマスクはある程度有効です。鼻までしっかりカバーしましょう。マスクには鼻や口を安易に手で触らないようにする意義もありますので、できるだけ触らないようにすることも大切です。咳をしている人と対面する場合はメガネやゴーグルもあったほうが良いです。
接触感染の予防:外出中は常に注意を
手を頻繁に洗うことです。外出中に洗ってない手で首から上を触らないようにしましょう。石鹸で洗う、流水だけで10秒以上洗い流す、アルコールで消毒する、いずれも有効です。手洗いしたあと水栓を閉めるときに手が再汚染しないように気をつけてください。
公共の場のドアノブや手すりや机の上など人の手が触れやすいところはアルコールで消毒するのが予防になります。うがいはほぼ意味がありません。とにかく手洗いをしっかり行いましょう。
院長からもう一言
新型肺炎は情報が少なく不安が広がっていますが、現在のところインフルエンザと同等の感染対策を行うべきと考えられています。
上記の感染対策に加えて、可能なら人混みに出ない、過労などで免疫力が落ちないように体調を整えるなどして沈静化を待つのが良いでしょう。新型肺炎以外の病気の予防のワクチンを打っておくのも大切です。
PDF版はこちら→第29号202002
つかもと内科 院長
平成5年鹿児島大学卒業
総合内科専門医、腎臓専門医、透析専門医