2020年4月発行ニュースレター第30号「コロナうつ」にならないために

新型肺炎(COVID-19:新型コロナ感染症)は先が見えない状況です。

今後、まずは治療薬が使えるようになり、その後ワクチンが開発されて収束に至ると思われますが、それまでは感染爆発を防ぐために生活が大きく変わってしまうのはやむを得ません。しかし、不安と生活の変化による「うつ」が世界的に問題になってきています。今回は「うつ」を予防するための方策について国際学会の提言に基づきまとめました。


体内時計の乱れがうつを起こす

学校や仕事を休み自宅に引きこもっていると、1日の生活リズムが乱れがちです。決まった時間に起きて決まった時間に就寝しましょう。昼寝はやめるか、しても30分程度に。

家事・仕事・勉強・運動など、毎日行うことをきめて、同じ時間にやるようにしましょう。特に運動の時間は必ず作りましょう。食事時間なども含めて生活に一定のパターンを作ることが重要です。

体内時計の強化のために、午前中に安全な屋外に出て日光を浴びるか、せめて窓際で日光浴をするようにしましょう。夜遅くにテレビやスマホを見続けたりしないように。

人との交流を持ちましょう

一人でいると不安が増します。外出して人に会うのは困難ですので、電話やビデオ通話で交流しましょう。リアルタイムでやり取りするのであればLINEなどでもいいそうです。できれば毎日同じ時間帯に交流したほうが良いです。

不安を増幅しないために(愛知県松崎病院精神科医の鹿目将至医師より)

テレビの情報を追いかけ続けると不安が増大します。最低限の情報をチェックしたらテレビは消してしまいましょう。自分が不安定だと感じたら、「これはコロナが起こした不安によるものだ」と自覚し受け入れましょう。そして、今日何事もなく過ごせたことなど、いろんなことに感謝の気持を持つようにしましょう。

院長からもう一言

新型肺炎により世界のあり方が変わろうとしています。短期的な病気による健康への影響のみならず、経済への影響は長期間甚大になると思われます。さらに、これまでの国家間の関係性も激変することが予想されます。

日本は敗戦や大災害を克服してきた国ですので、まずは医療崩壊を避けるために各人が努力して感染を避け、その後は助け合って困難を克服できるものと信じています。

PDF版はこちら→第30号202004