症例60:幼児の腕のやけど

1歳8ヶ月女児。11月10日にカップ麺のお湯で左腕をやけどされました。近くのクリニックでステロイド軟膏の処方を受け、11日に当院を受診されました。

11月11日の状態。

左前腕に浅い2度の火傷です。水疱膜は破れていました。

ワセリンつきプラスモイストで治療しました。毎日ぬるま湯で洗って付け替えしてもらいます。

 

12日の状態。

やけどが赤くなったので心配して診せに来られました。

周囲の皮膚は異常なく、やけどの面の血流が良くなった所見で問題ありません。

16日の状態。

やけどに黄色い膜がついているのを心配されましたが、これはタンパク質が固まったものでフィブリン膜といいます。感染の兆候がなければそのまま見ておけばいずれ自然に取れます。

周囲の皮膚にテープまけが起きていましたので、プラスモイストの固定法などを工夫しました。

27日の状態。

ほとんど上皮化しています。もう2~3日処置継続で完治するでしょう。

周りのかぶれにはロコイド軟膏を処方しました。

12月10日の状態。

一部やけどの跡が肥厚しているようです。このままおさまっていく可能性が高いので経過を見ていただきます。

浅い2度では普通はあとは残らないのですが、最後まで治らなかった部分に軽度の肥厚があるようでした。そこだけ少し深かったものと思われます。自然に消える可能性も高く、経過観察としました。