症例77「小児の太ももの広範囲なやけど」

12歳男児。10月23日にカップ麺で右太ももをやけどされ、皮膚科でワセリンとゲンタシン軟膏を混ぜたものを塗ってガーゼを当てるように言われたそうです。当院のホームページをご覧になり、ラップを当てて10月30日に受診されました。

10月23日初診時。

20cm×20cmと広めですが、全体的に浅い2度のやけどでした。

右太もも外側。

右太もも前面。
右太もも内側。

全体的に水疱膜が破れてクシャクシャに縮んだものが放置されていました。

10月23日処置後。

残っていた水疱膜をできるだけ除去しました。

右太もも外側。

右太もも前面。
右太もも内側。

範囲が広いのでワセリンを塗ったズイコウパッドで被覆しました。

家庭ではシャワーで流して貼り替えるだけです。

11月13日。

すっかり治っていました。

右太もも外側。

 

右太もも前面。

右太もも内側。

半年くらいでほとんどわからなくなると思います。

本来浅い2度のやけどは7~10日で治るものなので、最初から湿潤治療を行っていれば当院初診時には殆ど治っているはずでした。いくらゲンタシンとワセリンという組織障害性のない軟膏を塗っても、ガーゼを当ててしまうと治癒が遅くなってしまいます。