症例19:幼児の足のすり傷

1歳の男の子。6月18日に父親とソリに乗っていて右足を擦りむきました。姉が以前に怪我をしたときにプラスモイストで治療していたので、同じように洗ってプラスモイストをはったそうです。当日夜に38度の発熱がありましたが、受診時は熱はありませんでした。

6月19日初診時。右足の甲の外側に擦り傷が出来ていました。中心は少し深そうです。

洗って、ワセリンを塗ったプラスモイストを当てました。自宅でも同様の処置を続けていただきます。

発熱があったので抗生剤を処方しました。

6月24日。

周辺から上皮化していて、浸出液は少なくなっています。

中心の深いところにはフィブリン膜(タンパク質の膜)ができていますが、感染兆候もなくそのままにしました。剥がすと結構痛いです。

6月29日。

中心部の傷も小さくなりました。

7月3日。

中心部も治癒しています。フィブリン膜が残ったまま治癒すると浸出液が無くなるので膜が乾燥して貼り付いた状態になります。無理にはがすと下の薄い皮膚を傷つけることがありますので、入浴などでふやけて自然に取れるのを待ったほうが良いです。

以前に湿潤治療のご経験のある親御さんでしたので、クリニックでしたのは傷の状態の確認をする程度でした。親御さんの適切な処置で痛みなく、きれいに治りました。
フィブリン膜で検索してこられる方が結構いらっしゃるようです。感染を起こして痛みや赤みがあるようなら取ったほうが良いですが、どうもなければ無理にはがさなくても傷が治れば自然に取れていきます。