症例30:幼児のおなかと太もものやけど

3歳女児。12月29日にカップ麺をこぼしてお腹と左の太ももをやけどしました。近くの病院で処置を受けていましたが、湿潤治療を希望して1月4日に当院を受診されました。

1月4日のおなか。水疱膜はある程度除去してあり、浅い2度のやけどのようでした。

プロペトを厚めに塗った上からトレックスガーゼをあて、さらに上からガーゼがあててありました。糸状のものはほつれたトレックスガーゼです。乾燥しやすい処置ですが、プロペトを厚く塗ってあったのでそれほど悪い状態ではありませんでした。毛穴から上皮化しているのがわかります。

ワセリン付きプラスモイストで処置しました。

1月4日の左太もも。

水疱膜が残っていて詳細不明ですが、浅い2度と思われました。

ワセリン付きプラスモイストで処置しました。痛みがなければ入浴していただき、水疱膜が自然にふやけて取れるのを期待します。

1月6日のおなか。

大部分が上皮化していました。

1月6日の太もも。

水疱膜はそのままですが浅いやけどなので経過観察しました。

1月9日のおなか。

すっかり治っています。後はワセリンでしばらく保護するだけで良いです。

1月9日の太もも。

外側の一部を除いて治っています。

1月15日のおなか。

やけど周囲の茶色い物を気にされていましたが、水疱膜の残りや浸出液が固まったもので、入浴でふやければ自然に取れると説明しました。

1月15日の太もも。

治っています。

まだ心配でプラスモイストをあててありましたが、テープまけしかけていたので今後はプロペトのみ塗ってもらうようにしました。

3月1日のおなか。

きれいに治っています。しばらくすると肌の色も普通になります。

3月1日の太もも。

こちらも状態良好です。

広範囲のやけどでしたが幸い浅い2度にとどまっていたので時間がかからずきれいに治りました。今回も怖がっていたので水疱膜は無理にとりませんでした。

良くなってからしばらくして確認に来ていただけましたので治った後の経過を皆様にお見せ出来ました。