2018年10月発行第21号「麻しんと風しんについて」
今年の春に福岡市周辺で麻しん(はしか)の患者さんが数名でて騒ぎになったのは記憶に新しいですが、最近は日本各地で風しん(三日はしか)の集団発生が報道されています。
麻しん・風しんについての正しい知識を持ち、必要な予防対策を行うようにしましょう。
麻しん(はしか)とは
ウイルスによる感染症で、とても感染力が高いことが特徴です。同じ部屋にいるだけでうつります。
患者さんと接近・接触して感染すると、10日後くらいから熱は鼻水・咳といった症状が現れ、その後口の中にコプリック斑という特徴的な白いぶつぶつが現れます。2~3日で熱が下がったあと、再度高熱と共に全身に発疹が出ます。また首などのリンパ節が腫れるのも特徴的です。
「はしかみたいなもの」のような表現がありますが、実際は麻しんは1000人に1人は肺炎や脳炎を起こして亡くなる危険な病気です。特効薬などはなく、かかったら自然に治るのを待つしかありません。
風しん(三日はしか)とは
ウイルスによる感染症で、麻しんほどではありませんが感染力が強く、患者さんの咳などからうつります。
感染して2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れが起こります。 3日程度で治まるので三日はしかと言われますが、大人は症状が重くなります。症状が出る1週間前からウイルスがつばなどに出てくるため、知らない間に多くの人にうつしてまうことになります。この時期に妊婦さんと接触してしまうと大問題になります。 免疫のない女性が妊娠20週までに感染してしまうと、赤ちゃんの耳や目や心臓に障害が起きてしまうことがあります。そのため妊娠の予定があるご夫婦はお二人とも妊娠前に予防対策をしたほうが良いです。
予防法について
予防接種が最も確実な方法です。どちらのワクチンも2回接種していれば追加の必要はありません。風しんは平成元年以前に生まれた方、麻しんは平成2年以前に生まれた方は0~1回しか接種できていない可能性が高いです。特に男性は免疫のない方が多いので、奥さんと子供さんのために接種をおすすめします。
風しんは18歳以上の方は保健所で免疫があるかどうかの検査を無料でしてもらえます。
院長からもうひとこと
ワクチン接種は自分を守るだけでなく、周りの人たちも守る感染対策の切り札です。
当院ではワクチンをできるだけたくさんの方に接種していただくことが地域の健康向上につながると考え、できるだけ安価に設定しています。
麻しんなどに免疫があるかどうかの検査も行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
詳細はホームページにも書いてあります。健康診断・ワクチンのページ
PDF版はこちら→第21号2018年10月
つかもと内科 院長
平成5年鹿児島大学卒業
総合内科専門医、腎臓専門医、透析専門医