2019年4月発行ニュースレター第24号「油断しないで!早朝高血圧」

当院では高血圧の治療をするときには、家庭でご自身で血圧を測ることをおすすめしています。ご自身で血圧を測ることで治療への関心が高まるのはもちろん、クリニックで測るだけでは気づかれない「早朝高血圧」が見つかることがあるからです。

今回は「早朝高血圧」と家庭血圧の重要性について解説します。


 

早朝高血圧とは?

血圧は常時一定ではありません。1日の中で高い時間帯、低い時間帯があります。正常な血圧変動リズムでは、朝起きたときから徐々に高くなり、夕方頃が最も高く、寝ている深夜から早朝が最も低くなります。ところが、高血圧の患者さんでは血圧変動リズムが乱れ、夜間も全く下がらない場合や、明け方からぐぐっと血圧が上昇する場合があります。これは、血圧を調節する自律神経の働きが乱れ、明け方に過剰に活性化することによるとされています。脳卒中や心筋梗塞が明け方に多いのも早朝高血圧が一因とされています。

家庭での血圧の測り方

早朝高血圧を発見することが大事なため、家庭で血圧を測る場合は朝が最も重要視されます。朝起きてトイレを済ませてから、朝食前に一息ついてから測りましょう。比較のために、時々で良いので寝る前にも測ったほうが良いです。家庭血圧の目標は135/85以下です。血圧計は上腕に巻くタイプが良いですが、手首に巻くタイプも割と正確になっています。

早朝高血圧の治療

昼間の血圧も高い場合は1日中効いているタイプの血圧の薬を使います。昼は良くて朝だけが高い場合は、昼が下がりすぎないように寝る前に朝まで効くタイプの血圧の薬を飲みます。不眠や睡眠時無呼吸などの原因があればそちらの治療も必要です。

PDF版はこちら→第24号201904