2019年12月発行ニュースレター第28号「長引く咳の原因と治療」
風邪の後などに咳がなかなか治まらないことがあります。
話している時に急に咳が出て仕事に差し支える、床についたときに咳が出て寝付けない、夜中に咳で目が覚めてしまうなど、生活にかなり影響が出ます。
ひどい咳が続くと腹筋の筋肉痛が起きたり、ひどい場合には肋骨が疲労骨折したりします。風邪が治った後になかなか治らない咳の原因と治療をまとめました。
後鼻漏(痰が出る)
副鼻腔炎の鼻水が喉の方にたれて喉が刺激され起こります。抗生剤と抗アレルギー薬で治療します。
感染後咳嗽(痰は出ない)
感染が治ったあとも気管の過敏な状態が続いて出る咳です。咳止めなどで治まるまで待ちます。
アトピー咳嗽(痰は出ない)
のどがイガイガして出るアレルギー性の咳です。抗アレルギー薬や吸入ステロイドが効果があります。
咳喘息(痰は出ない):最も多い原因です
気管支喘息のようにヒューヒュー言ったりせず、咳だけでる喘息です。深夜から明け方に症状が強くなる傾向があります。アトピー咳嗽と鑑別が難しいですが、咳止めが無効で吸入ステロイドが効果があるのは一緒です。気管支喘息に移行することがあり、吸入ステロイドの長期継続が必要な場合があります。
逆流性食道炎(痰は出ない)
胸焼け・胸痛・喉の違和感を伴い、食後や夜間に悪化します。胃酸が喉まで上がって刺激することで咳が出ます。胃酸を抑える薬で治療します。
要注意な咳(痰が出る場合に多い)
長期間続く咳は肺がんや結核やCOPD(煙草による肺の病気)のことがあり、レントゲンやCT検査を行う必要があります。痰に血が混じっている場合やタバコを吸う方は特に要注意です。
PDF版はこちら→第28号201912
つかもと内科 院長
平成5年鹿児島大学卒業
総合内科専門医、腎臓専門医、透析専門医