症例79「熱湯による手背のやけど」

47歳女性。9月15日にコーヒーを淹れるお湯で左手背をやけどされました。近くの皮膚科でエキザルベを塗るように言われましたが、水ぶくれが大きくなり9月17日に当院を受診されました。

9月17日受診時。

左手の手背にやけどを認めます。中指の水疱は緊満しています。

周囲は水疱を形成しないくらいごく浅い2度の火傷です。

水ぶくれを破って水疱膜を除去しました。浅い2度のようです。ワセリン付きプラスモイストで被覆しました。

周囲のごく浅いやけどはひりひり感があるためデュオアクティブETで被覆しました。

 

9月19日。

中指の水疱が広がって表皮が浮いていました。

浮いている水疱膜をできるだけ除去して、同じ処置を継続してもらいました。

あとはご自身で処置を継続されました。

11月19日。

インフルエンザワクチン接種のため来院された時の写真です。

中指以外はやけどの部位がわからなくなっており、中指もあと半年もすれば跡はわからなくなると思われます。

水疱膜の除去が済んだあとはご自身で処置してきれいに治されていました。やけどが治る理屈や処置の目的・理由をご説明すれば誰でもご自身で治せるようになるのが湿潤治療です。