2022年4月発行ニュースレター第42号「マスクとの付き合い方」

コロナ禍はまだまだ続いていきそうで、感染対策はこれからも重要です。

コロナの主な感染経路は飛沫とされてきましたが、エアロゾル感染(ほぼ空気感染)も重要なことがわかってきました。接触感染は重要ではないこともわかっており、手やドアノブの消毒よりも、換気が最も重要であることは間違いありません。その上でマスクやソーシャルディスタンスも継続していくことになりますが、マスクは正しく使わないと効果がありませんしデメリットもありますのでうまく付き合っていかないといけません。

マスクの正しい付け方

布マスクやウレタンマスクは効果が落ちますので、不織布マスクをつけましょう。マスクの上側に入っているワイヤーを鼻の形にカーブさせ、隙間がないようにフィットさせます。鼻から顎まですっぽり覆うようにつけてください。おしゃれな布マスクは不織布マスクの上から二重マスクでつけましょう。

マスクのデメリットとその対策

熱中症

呼気からの熱放出は体全体の5~10%程度とされておりマスクは熱中症の直接原因ではないとされていますが、息苦しさや水分摂取のしにくさから熱中症症状の一因とはなります。運動するときはマスクはしない、2m以内に人がいないときはマスクを外す、水分補給をこまめに行うなどで対策します。

よく言われる血液中の酸素の低下や二酸化炭素の増加はマスクによって増えるデッドスペースの容積から考えてありえません。マスクの通気抵抗で息苦しさを感じていると思われます。

マスク皮膚炎

マスクでこすれる刺激やマスク内の汗や過湿状態などが原因の皮膚トラブルです。マスクが小さいと擦れやすくなるので自分にあった大きさのマスクを選び、マスク内の汗はこまめに拭き取りましょう。不織布マスクの下に木綿のガーゼを1枚挟むと刺激が減って予防になります。

表情筋の衰え

人は会話しているときに言葉以外の表情でもいろいろな表現をしていますが、マスクをすると表情の変化が半分~1/4まで低下してしまいます。表情を作る表情筋も他の筋肉同様、使わなければ衰えていきます。表情筋が衰えると平板な顔つきになり、更に嚥下が悪くなってしまいます。マスクをしていても相手に見えていると思ってしっかり表情を作り、口の周りの筋肉や舌を動かす運動を心がけましょう。

院長からもうひとこと

小さなお子さんに無理にマスクをさせても正しくつけられないためデメリットばかりになります。また、片頭痛のある方などはマスクのゴムの刺激などが痛みとして感じられることがあります。

他にも皮膚疾患や呼吸器疾患、発達障害など様々な理由でマスクの着用が困難な方がいらっしゃいますので、一律な着用義務ではなく、可能な方はマスクを着用して着用できない方を守るという視点が必要と思います。

PDF版はこちら→第42号202204マスク