帯状疱疹は50歳以上の人の3人に1人が一度はかかる病気とされています。コロナ禍が始まってから帯状疱疹の患者さんが増えていると言われており、その原因はストレスのようです。

帯状疱疹はとても痛みが強い病気で、治療して治ったあとも神経痛が残ってしまうことがあります。なってからの治療より、予防するに越したことがないのが帯状疱疹です。


帯状疱疹の原因と症状

帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスが原因です。子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスは、治ったあとも神経節の中に潜み続けます。通常は免疫の力で増殖しないように押さえつけられていますが、ストレスや病気などで免疫力が低下すると増殖を始め、神経の走行に沿って症状を起こします。水疱を伴う赤い皮疹が神経の走行に沿って出現し、神経が直接傷害されるので強く痛むことが多く、神経痛が残るとずっと痛みます。神経の走行は左右別ですので、帯状疱疹が体の左右にまたがることはありません。耳の周りや目の周りにできることもあります。耳の周りの帯状疱疹は難聴やめまいや顔面神経麻痺の原因になることがあり、目の周りの帯状疱疹は視力低下や失明につながることがあり特に注意が必要です。

帯状疱疹の治療

治療開始が早ければ早いほど神経痛が残りにくくなりますので痛みと発疹が両方あるときはすぐに皮膚科を受診しましょう。内服での治療が主ですが、重症な場合や顔面の帯状疱疹の場合は点滴も使われます。痛みは神経の痛みなので普通の痛み止めは効果が弱く、神経痛専用の薬が使われます。

帯状疱疹の予防

免疫が落ちないような生活を心がけるのが基本ですが、年齢とともにかかりやすくなるため50歳以上の方にワクチンが勧められています。昔からあるワクチンは水ぼうそうワクチンと共通のもので、1回接種で8000円前後と安価ですが予防効果は60%くらいで5年効果があります。副反応は多くありませんが稀に発疹が出ることがあります。最近できたワクチン(シングリックス®)は2回接種が必要で4万円ほどかかりますが、予防効果は90%以上、効果は9年以上とされています。副反応は強めで30~40%の方に発熱や頭痛が認められます。

院長からもう一言

帯状疱疹ワクチンはシングリックスが効果の面では優れていますが、費用と副反応が問題になります。がんの治療中や免疫抑制剤を使用中の患者さんはシングリックスのみ接種できます。

一度帯状疱疹にかかると免疫が活性化してかかりにくくなるとされており、5年間はワクチンは不要とされています。ただし、がん治療や免疫抑制剤投与が行われる場合は帯状疱疹が再発しやすくなるためシングリックスで予防することが望ましいです。

PDF版はこちら→第43号202206帯状疱疹はワクチンで予防できます