症例22:小児の太もものやけど

11歳女児。8月4日朝カレードリアをこぼして左の太ももをやけどしました。
以前に膝の怪我を当院で治療したことがあり(症例6:小児の膝の皮膚剥離)、冷やしてからすぐに受診されました。

 8月4日初診時。やけどしてから時間が立っていないので発赤はありますがまだほとんど水ぶくれになっていません。1度~2度のやけどです。
 デュオアクティブETを貼りました。やけどを空気と遮断するとヒリヒリしなくなります。
   8月5日。痛みは引いていました。

1度のところは赤みが消えてほぼ正常になっています。

2度のところは水疱になりました。

   水疱の膜をある程度除去しました。浅い2度の火傷です。水疱の膜を除去して下を見ないとやけどの深さは評価できません。

デュオアクティブETを貼りました。

   8月7日。

浸出液が多く、デュオアクティブETでは吸収しきれずにすぐ液漏れしてきたそうです。

   剥がした状態。すでに周辺の浅い部分は上皮化してきています。

浸出液が多いのでプラスモイストで覆いました。

   8月9日。

かなり良くなっています。浸出液が少なくなって乾燥傾向です。

またデュオアクティブETでも良いのですが、粘着力が強すぎて剥がすときに痛かったとのことで、プラスモイストにワセリンを塗って覆いました。

   8月17日。

ハイドロコロイド包帯をはっていたそうです。完全に上皮化しています。

まだ皮膚が薄いのですり傷などできやすく注意が必要です。

やけどの極初期からの経過です。水ぶくれはできるまで少し時間がかかることがわかります。
最初から最後まで消毒なしの湿潤治療で治療が出来ました。